ヨガクラスに行くと、様々なポーズを取り、
普段動かさないような筋肉や関節を動かして
体の柔軟性を上げる=ヨガ
というイメージが強いと思うのですが、
ヨガってポーズを取ることが目的なのでしょうか…。
ヨガとは何かと言う視点で
説明していきたいと思います。
ヨガの語源
ヨガって何ぞやです…。
実は一言での説明が出来ないのがヨガなのです…
ヨガってポーズを取ることじゃないのか!?と思われますが、
結論から言いますと「ヨガ=ポーズを取ること」だけではありません。
まずはヨガの語源を見てみましょう。
ヨガとは…
サンスクリット語の「yuj」が語源と言われております。(「yuj」とは牛や馬と車をつなぐ軛(くびき)のことです)馬をつなぐときに使われていた言葉で、「馬を車体につなぎ、その馬車をコントロールして、道を外さず人生の目的地に行くこと」を意味しています。体、心、魂を神(宇宙)に結びつけることの修行法として約4000年前にインダス文明で生まれました。
上記から、ヨガとは体、心、魂を神(宇宙)に結びつける修行法としてスタートしたものでした。
「ヨガ・スートラ」という古い経典によりますと
ヨガとは「心の動きを抑止する事」を目的とすると定義されております。
「心の動きを抑止する」様々な鍛錬により、苦しみからの解放を目指すのです。
つまり、ヨガの語源や目的には「ポーズを取る」というのは入っていないのです。
向井田みお 「やさしく学ぶヨガ哲学 ヨーガスートラ」 [UTL アンダーザライト] 価格:2,420円 |
私が参考とさせて頂いているヨーガスートラです。
読みやすくてお勧めの本です。
ヨガのポーズはどこから…?
現在、一般的に行われているポーズを取るヨガは「ハタ・ヨガ」というものの一部です。
ハタ・ヨガとは…
紀元後1000年頃に出現したヨガです。ハ=太陽、吸う息、凝縮。タ=月、吐く息、拡大。「ハタ」で太陽と月、呼吸、陰陽が一つに結ばれたものと言う意味を示しています。体や呼吸を使って潜在的なエネルギーを引き出すことを目的としているヨガのことです。
ハタ・ヨガが出現するまでは
ヨガとは「心の動きを抑止する」「心の鍛錬」と言われており、
体を動かすことはなく、ただじっと自己を見つめているだけでした。
簡単に言いますと
ただじっと座って「心の鍛錬」を行うより、
「身体の鍛錬」も必要となり「ハタ・ヨガ」と言うものが出現したというわけです。
現在は、エクササイズや健康法の一つとして親しまれているヨガですが、
この「ハタ・ヨガ」の教えを元に、様々な流派が生まれ、
複雑に交じり合いながら現代社会に合わせた形になっていったのです。
ヨガのポーズを行う前にすべきことがある!
実はヨガのポーズを行う前にすべきことがあります。
現代のヨガは、ポーズも取る事で、「心と身体の鍛錬」を行うのではないのか!
と思われますが、
ヨガ・スートラによりますと「ヨガの八支則」と言うものがあります。
ヨガの八支則とは…
ヨガの古い経典「ヨガ・スートラ」の中で重要視されている八つの概念です。八段階の積み重ねにより構成されているので「アシュタンガ(八つの枝)」と言われれております。日常生活において、行動の規範である禁戒や勧戒を実践し、段階的に体を整え、呼吸を整えながら山の高み(最終段階の悟り)に上っていく8つのステップのことです。
ヨガの八支則については、また別の記事でご説明したいと思います。
八支則の内容を、こちらに図示しました。(へたくそでごめんなさい…)
これを見ると、ヨガのポーズは3段階目にあります。(ヨガのポーズはアーサナと言われます)
つまり、ヨガのポーズは1番目に行う事ではなく、
その前の禁戒、勧戒を実践した上で
ポーズを行い、その後の呼吸法や感覚制御、瞑想法などで段階的に心身を整え
悟りの境地に至るということです。
ヨガのポーズは悟りの境地に至る為のツールの一つなのです。
ポーズの前の禁戒、勧戒がなければ
単なるエクササイズもしくは体操にすぎないのです。
ヨガの目的
これまでのご説明で
何となく「ヨガ=ポーズだけではない」という事がお分かりいただけたでしょうか…。
ヨガの目的は「心の動きを抑止し、苦しみから解放されること」です。
つまり、「苦しみからの解放=快適で安定した心をつくること」にあります。
ヨガのレッスンで、先生と同じポーズを取ろうと少し無理して頑張っていませんか…?
ヨガレッスンに通うだけだった私は、
「ヨガ=アクロバティックなポーズを取る」と思っておりました。
当時は今以上に体の使い方も良く分かっていなかったので
先生と同じようなポーズを取らなきゃ!もう少し頑張らなきゃ痩せない!と
無理をしていました。
つまり「快適で安定」なんて眼中になかったのです。
呼吸を続ける余裕もなく、プルプルしながら汗をかきながら行っておりました。
これは単なるエクササイズですね…汗
ヨガのポーズにゆったりとした呼吸や瞑想法を組み合わせることで
集中力が高まり、穏やかで揺るぎない精神状態を作り出すことが出来るのです。
これがつまり「ヨガ=快適で安定した心を作ること」ということになります。
まとめ
ヨガとはポーズを取る事だけではない。と言うお話でした。
「ヨガとは」と言う解釈は人それぞれだと思います。
呼吸を整えること
心を落ち着かせること
健康を維持すること
柔軟性をあげること
前向きになること
どれもヨガと「つながっている」ことです。
一般的にヨガと言えば何となくエクササイズ的な要素が強いですが
無理して頑張ってポーズを維持するのではなく、
呼吸も続けながら「快適で安定した状態」でヨガを行えるといいですね。
そして私もその様なガイドを出来る人を目指していきたいと思います。
本記事の内容のまとめとなります。
- ヨガの語源は「yuj」(ユジュ)で「つなぐ」と言う意味。心、体、魂を神(宇宙)に結びつける修行法として約4000年前に生まれた
- ヨガの目的は「心の動きを抑止する事」つまり「快適で安定した心を作ること」
- 現在のヨガのポーズは「ハタ・ヨガ」というものを元に現代風にアレンジされたもの
- ヨガの八支則によれば、ポーズを行う前に禁戒、勧戒を行う必要がある(つまりヨガのポーズは1番ではない)
最後までお読みいただきありがとうございました。
私がよく参考にする、ヨガ本です。
ヨガ哲学からヨガの種類、用語の説明、よく使われるサンスクリット語など
分かり易く書いてあります。
コメント